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相続登記が義務化されます【304号】

国土交通省が毎年まとめている土地白書によると、相続登記がされていないことなどが原因により、概ね20%の土地(不動産登記簿上で所有者の所在が確認できない土地)が所有者不明土地となっています。このような所有者不明土地の解消を目的として、相続登記の申請義務化などとあわせて、相続した土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度が創設されることになりました。

相続登記の申請義務化(令和6年4月1日施行)

相続又は遺贈により不動産を取得した相続人に対して、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請を義務付けています。今回の申請義務化により特に注意が必要なのは、「令和6年4月1日以前に発生した相続にも適用される」ということです。法施行日と相続開始日のいずれか遅い日から3年間となります。つまり、施行日以前に相続が発生していたとしても、令和9年4月1日までに相続登記の申請をすればよいことになります。 なお、正当な理由がないにもかかわらず申請をしなかった場合には、10万円以下の過料が科されることがあります。

相続人申告登記制度(令和6年4月1日施行)

不動産を相続した人が法務局の登記官に対し、「登録名義人について相続が開始したこと」及び「登記名義人の相続人であること」を申し出ることにより、申出した相続人の氏名・住所などを職権で登記するもので、相続人間で遺産分割協議が整わない場合などの利用が想定されます。その後、遺産分割協議を行って不動産を取得する相続人が確定したら、その日から3年以内に相続登記を行うことで相続人は申請義務を履行したことになります。

相続土地国庫帰属制度(令和5年4月27日施行)

相続又は遺贈により土地を取得した相続人が、その土地の所有権を手放して国庫に帰属されることを可能にする制度です。制度の開始前に土地を相続した方でも申請できますが、売買等による土地の取得者や法人は対象となりません。土地が共有不動産であるときは、共有者の全員が相続により取得する必要はなく、共有者の一人でも相続により取得しているのであれば、共有者全員で申請することが可能となります。ただし、どんな土地であっても引き取ってもらえるのではなく、建物が建っている土地や抵当権が設定されている土地、通常の管理又は処分に当たり過大な費用や労力が必要となる土地は該当しません。また、相続した土地の所有権を国に帰属させるためには、審査手数料のほか、承認を受けた場合には負担金(10年分の土地管理費用相当額)を納付する必要があります。

(中嶋)

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