2022年8月1日に決定された最低賃金の前年度比上げ幅は31円アップで、過去最高額となりました。 伸び率は全国平均で3.3%、全国平均時給は961円となりました。
最低賃金とは
使用者が労働者に対して支払わなければならない賃金の最低額を定めた制度で、最低賃金は「最低賃金法」という法律で決められています。最低賃金の金額は、都道府県ごとに設置されている最低賃金審議会の審議を経て毎年改定されます。
最低賃金の種類
最低賃金には、各都道府県ごとに定められている「地域別最低賃金」と特定の産業に従事する労働者を対象に定められた「特定最低賃金」の2種類があります。
- 地域別最低賃金
都道府県ごとに定められており正規雇用はもとより、パートやアルバイト、臨時・嘱託といった雇用形態や呼称に関係なく、また外国人労働者も含め、国籍や年齢、性別に関係なく全ての労働者に適用されます。 - 特定最低賃金
関係労使が基幹的労働者を対象として、「地域別最低賃金」よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認める産業について設定された最低賃金です。
対象となる賃金
最低賃金の対象となるのは、毎月支払われる基本給や諸手当などの基本的な賃金です。精皆勤手当、通勤手当、家族手当、残業手当や賞与は対象外となります。
最低賃金の周知義務
使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者の範囲、最低賃金額、参入しない賃金や効力発生日を常時、職場の見やすい場所に掲示するなどの方法により、周知する必要があります。
このように毎年時給が上がるのは労働者にとって嬉しいことですが、自分自身に所得税がかからない「103万円の壁」、勤務先の会社が条件に該当した場合、社会保険に加入しなければならない「106万円の壁」、勤務先の社会保険に加入しなければならない「130万円の壁」、配偶者特別控除(38万円)の上限「150万円の壁」などたくさんの壁がありますので、自分自身の働き方を総合的に勘案し考え直す必要があるかもしれません。
(西村)