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従業員名の立替払い領収書(インボイス)【333号】

最近、ようやく秋の気配が見えたと思ったら、急激に寒くなり、そしてまた戻ったりしてと、季節感が湧かない今日この頃ですが、気が付けば11月の中旬、年末が近づき経理を行う皆様にとって、昨年から始まった消費税のインボイス対応の煩わしさに中々慣れることは無いのでしょう。そのような中でも国税庁のインボイスのQ&Aは更新されて実務的に助かる追加更新等がされています。今回はその1つをご紹介をさせて頂きます。

(国税庁 消費税の仕入税額控除における適格請求書等保存方式に関するQ&A 令和6年4月改訂 参照)

(従業員が立替払をした際に受領した適格簡易請求書での仕入税額控除)

問 94-2 当社は、事業に必要な消耗品等を従業員が自ら購入し、その際受領した適格簡易請求書と引き換えに、当該消耗品費を支払っています。この場合、当該適格簡易請求書の宛名には「従業員名」が記載されているのですが、これをそのまま保存することで、当社は仕入税額控除を行ってもよいでしょうか。【令和6年4月追加】

【答】 従業員が事業に必要なものとして購入した消耗品等の代金を貴社が負担する場合には、それは貴社が負担すべき費用を従業員から立替払を受けたことになります。 原則として、本来宛名の記載を求められない適格簡易請求書であったとしても、書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称として仕入税額控除を行う事業者以外の者の氏名又は名称が記載されている場合には、当該適格簡易請求書をそのまま受領し保存したとしても、これをもって、仕入税額控除を行うことはできません。 しかしながら、当該従業員が貴社に所属していることが明らかとなる名簿や当該名簿の記載事項に係る電磁的記録(以下「従業員名簿等」といいます。)の保存が併せて行われているのであれば、宛名に従業員名が記載された適格簡易請求書と、当該従業員名簿等の保存をもって、 貴社は当該消耗品費に係る請求書等の保存要件を満たすこととして、仕入税額控除を行うこととして差し支えありません。 なお、従業員名簿等がなく、立替払を行う者である従業員を特定できない場合には、宛名に 従業員名が記載された適格簡易請求書と、従業員が作成した立替金精算書の交付を受け、その保存が必要となります。

 

いかがでしょうか。このQ&Aが出るまでは、従業員名の適格簡易請求書で受領すると立替金精算書の作成が必要となるため、法人名での適格簡易請求書を貰うことを徹底する等の対策をしているところが多かったとは思いますが、徹底しきれずに、従業員名で貰ってしまった適格簡易請求書についても、簡便的な方法を用いて対処することが可能になりました。Q&Aにはこれ以外にも、原則的なものよりも簡便的な対処についての追加記載がされています。今後も消費税のインボイスの定着に向けて、Q&Aの更新がされるのではと思われます。確認自体は面倒なことですが、定期的なQ&Aの確認により、業務効率を上げいってはいかがでしょうか。

(川合)

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