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小規模事業者持続化補助金【294号】

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者等による地道な販路開拓等の取り組みや、その取り組みと併せて行う業務効率化(生産性アップ)の取り組みに要する経費の一部を補助してくれる補助金です。小規模事業者が経営計画を自ら策定し、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む販路開拓の支援を受けられる補助金となっています。2023年度も引き続き公募が実施されることが決定し第12回の応募受付がはじまりました。今回から補助額(補助上限)が最大250万円に拡充され、店舗改装や広告掲載、展示会出展費用なども対象経費となります。なお、申請受付締切日は第12回が2023年6月1日(木)となっており、応募開始はまだですが実施がすでに決まっている第13回は2023年9月7日(木)となっています。

申請類型と補助内容

※インボイス特例は、インボイス転換事業者(免税事業者からインボイス発行事業者へ転換する事業者)を対象に「それぞれの枠の補助上限額を、一律50万円アップする」という内容になります。

  • 通常枠
    小規模事業者自らが作成した経営計画に基づき、商工会・商工会議所の支援を受けながら行う販路開拓等の取組を支援
  • 賃金引上げ枠
    販路開拓の取り組みに加え、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上である小規模事業者(赤字事業者は、補助率 3/4に引上げ)
  • 卒業枠
    販路開拓の取り組みに加え、雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて事業規模を拡大する小規模事業者
  • 後継者支援枠
    販路開拓の取り組みに加え、アトツギ甲子園においてファイナリスト及び準ファイナリストに選ばれた小規模事業者
  • 創業枠
    産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業の支援」を受け、販路開拓に取り組む創業した小規模事業者

※通常枠、特別枠のいずれか1つの枠のみ申請可能です。

対象経費

下記の11項目の経費が対象となります。

  • 機械装置等費
  • 広報費
  • ウェブサイト関連費
  • 展示会等出展費
  • 旅費
  • 開発費
  • 資料購入費
  • 雑役務費
  • 借料
  • 設備処分費
  • 委託・外注費

  • 事例)古民家をカフェとして営業するため、厨房を増設。加えて、地元飲食店とのコラボメニュー開発や、地域住民の協力を得て様々なイベントをカフェで開催
  • 事例)ホームページを初めて作成し、自社の宣伝と販路拡大を図った結果、体験教室の申込が13件あり手ごたえを感じている
  • 事例)お客様の利便性を向上する「らくらく安心着物宅配クリーニングサービス」を開始。ネットでの受付による宅配便での集配に対応した取次サービスを開始し、ホームページに「申込み」から「決済」までのEC機能を付加することで、新たなお客様の開拓を図った

補助対象者

補助金の対象者は、下記に該当する法人、個人事業、特定非営利活動法人です。

  • 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)
    常時使用する従業員の数5人以下
  • サービス業のうち宿泊業・娯楽業
    常時使用する従業員の数20人以下
  • 製造業その他
    常時使用する従業員の数20人以下

※ 常時使用する従業員には、会社役員や個人事業主本人、一定条件を満たすパートタイム労働者は含みません。

また、以下の全ての要件を満たす方が補助対象者になり得ます。

  1. 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)
  2. 直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
  3. 持続化補助金(一般型、コロナ特別対応型、低感染リスク型ビジネス枠)で採択を受けて、補助事業を実施した場合、各事業の交付規程で定める様式第14「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」の提出を本補助金の申請までに行った者であること
  4. 「卒業枠」で採択され事業を実施した事業者ではないこと

まとめ

採択件数と採択率については、第1回から第8回までの平均で採択件数7,660件、採択率61.1%となっています。採択率が5割を切る回もあったようですが第6回、第7回はいずれも7割近くと、徐々に増えてきているようです。採択されれば金銭面の負担が減るのはもちろんですが、申請にあたり​​事業内容や経営の見直しができる点もメリットです。また商工会・商工会議所からのサポートが受けられますので、外部の評価を知る良い機会となるのではないでしょうか。

(樋口)

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