今年も確定申告の時期となりました。令和6年分の申告書提出スケジュールは、受付開始が2月17日(月)、締め切りは3月17日(月)※3月15日が休祝日のため翌日が期限となっています。以下に主な変更点をまとめてみました。
定額減税
納税者本人、同一生計配偶者、扶養親族が控除の対象(非居住者は対象外)であり、対象となる人数×4万円(所得税3万円、住民税1万円)の控除が受けられます(合計所得金額が1,805万円以下の人が対象、令和6年分に限った措置)。
確定申告書には定額減税用に2つの記入項目が追加されています。人数欄には控除の対象となる人数を記入し、その人数に3万円を乗じた額(令和6年分特別税額控除)を記載します。そして所得税額から定額減税額の金額を差し引きします。
なお、定額減税額のほうが多く、所得税や住民税から上記定額減税額が控除しきれない場合には、控除しきれなかった額が市区町村から給付されます。
子育て世代等への住宅ローン減税の拡充
子育て世帯や若者夫婦世帯が令和6年に住宅取得やリフォームをして入居した場合、借入限度額に上乗せすることにより控除限度額が大きくなります。
対象となるのは令和6年12月末時点で「特例対象個人」に該当する人です。特例対象個人とは次のいずれかを満たす人です。
- 年齢が40歳未満かつ配偶者を有する人
- 年齢が40歳以上かつ年齢が40歳未満の配偶者を有する人
- 年齢が19歳未満の扶養親族を有する人
申告書等(控)への収受日付印の押なつ廃止
令和7年1月から、申告書等の控え(書面)に収受日付印の押なつを行わないこととなりました。申告書等とは国税に関する申告、申請、請求、届出その他の書類のほか、納税者が国税局、税務署に提出する全ての文書です。
このため確定申告書の「控用」は提出せず「提出用」のみ提出することとなり、提出年月日の管理は原則的には納税者自身で記録する必要があります。なお、当分の間の措置として、希望者に「リーフレット(日付、税務署名の記載あり)」が交付されます(窓口提出時に申し出、郵送の場合は返信用封筒を同封して申し出)。
スマホとマイナポータル連携
スマホで確定申告(e-Tax)する方は、専用画面により今年さらに操作しやすくなっています。またマイナポータルと連携することで医療費やふるさと納税などのデータが自動で取り込まれます。
マイナポータル連携の対象は以下の書類となっています。
- 給与所得の源泉徴収票
- 公的年金等の源泉徴収票
- 株式の特定口座年間取引報告書
- 医療費
- ふるさと納税
- 社会保険(国民年金保険料、国民年金基金掛金)
- 生命保険
- 地震保険
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 小規模企業共済掛金
- 住宅ローン控除関係
(樋口)
以下は、過去の所得税確定申告の変更点のまとめとなっています。
令和5年分の変更点
- 国外居住親族の控除要件が見直し
- 消費税インボイス制度導入に伴う変更
- 財産債務調書制度および国外財産調書制度の改正
- 特定非常災害に関連する損失(純損失および雑損失)の繰越控除期間の延長
- その他の変更
令和4年分の変更点
- 住宅ローン控除の見直し
- 事業所得と雑所得の区分
- その他