10月27日に行われた衆議院選挙で国民民主党は選挙公約として基礎控除等の金額を現状の103万円から178万円へと引き上げる事を掲げました。具体的には現状の103万円(基礎控除48万円+給与所得控除55万円)から178万円(基礎控除123万円+給与所得控除55万円)へ基礎控除額を78万円引き上げる事になります。
このいわゆる年収の壁については「103万円の壁」以外にも様々な壁があり影響範囲も異なります。そこで「年収の壁」についてまとめてみました。
100万円の壁
住民税の支払いが発生する年収
住民税の課税標準は年収93万円~100万円になりますが自治体ごとに異なりますので注意が必要です。
103万円の壁
所得税の支払いが発生する年収
103万円を超える金額に対して所得税が課税されます。
106万円の壁
勤務先の社会保険の加入義務が発生する年収
加入義務が発生する条件は下記の通りです。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が88,000円以上
- 雇用期間が2ヶ月を超える
- 被保険者の従業員が51人以上
130万円の壁
国民健康保険と国民年金の支払いが発生する年収
ただし一時的に収入が増え年収が130万円以上になった場合は「事業主の証明による被扶養者認定」を受ければ引き続き被扶養者として認定されます。
150万円の壁
配偶者特別控除の満額38万円が受けられる年収
被扶養者である妻の年収が150万円を超えると扶養者である夫が受けられる配偶者特別控除が段階的に減少します。
201万円の壁
配偶者特別控除が受けられなくなる年収
段階的に受けられた配偶者特別控除の適用がなくなります。
11月20日に自民党・公明党・国民民主党の3党の政調会長が会談し「年収103万円の壁」を引き上げる方針を盛り込んだ総合経済対策の内容に合意しました。総合経済対策の中で年収103万円の壁については令和7年度税制改正の中で議論し引き上げるとの文言が盛り込まれました。専業主婦世帯が減少し共働き世帯が増加している中で現状に合った働き方が出来るように徹底的に議論をしていただきたいと思います。
(西村)