第3次補正予算による中小企業支援措置
2020年度第3次補正予算に盛り込まれた『事業再構築補助金』の公募が、近々開始される見込みです。2020年度第3次補正予算は、新型コロナウイルス対策を盛り込み、1月28日に成立し、中小企業の支援などが柱となっています。この第3次補正予算のなかで特に注目していただきたい支援策の一つが中小企業等事業再構築促進事業の『事業再構築補助金』です。事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた企業の業態転換等を通じた事業再構築への取り組みを支援する補助金で、なんと1兆4,850億円もの予算があてがわれています。コロナ禍でも事業を継続しつつ「新たな⽇常」へ対応する取組みを続けている企業には、ぜひ活用を検討していただきたい補助金です。
第3次補正予算のうち、中小企業・地域を支援するための主な措置は、下記の通りです。
令和2年度第3次補正予算の主な項目
事業再構築補助金の概要
『事業再構築補助金』は、売上高が減少した事業者が、事業再構築に取り組む際の費用負担を支援する補助金です。補助金の活用には、「飲食業が飲食店スペースを縮小し、テイクアウト販売を実施」「小売業がネット販売に業態を転換」「航空機部品製造業が医療機器部品製造事業を新規に立ち上げ」など様々な事例が想定されています。
この事業再構築補助金には、「通常枠」「卒業枠」「グローバルV字回復枠」のほか、「特別枠」が用意されています。
補助額は、中小企業に対する通常枠が最大6,000万円(中堅企業は8,000万円)、中堅企業への成長を目指す中小企業(卒業枠)やグローバル展開を目指す中堅企業(グローバルV字回復枠)に対しては上限が1億円に引き上げられ、成長が強力に支援されることになっています。特別枠は、補助額の上限が1,500万円と通常枠と比べて小規模ですが、補助率が高いうえ、通常枠より迅速な審査・採択が行われるため、今年1月~3月の売上高が大幅に減少した事業者はこの補助金を活用し、事業の再構築に挑戦することを検討していただきたいと思います。
新特別枠「低感染リスク型ビジネス枠」
事業再構築補助金以外にも、生産性の向上を図る企業を応援するため、第3次補正予算により中小企業生産性革命推進事業の補助金が改編されます。感染対策と経済活動の両立に資する設備導入や販路開拓への投資、テレワーク等に対応したITツールの導入等を支援するため、下記の補助金の「特別枠」が新特別枠「低感染リスク型ビジネス枠」に改編されます。
中小企業生産性革命推進事業の補助金
緊急事態宣言の再発例などに伴い、中小企業の経営は厳しい環境におかれています。いまは事業を継続するために必死の努力を続けている事業者が多くいる状況にありますが、ポストコロナ時代に対応するため、事業の再構築や生産性の向上に取り組まなければならない時期に差し掛かっているとも思います。巨額の予算が計上されている補助金を活用することは、新たな挑戦を行う絶好の機会です。事業の再構築や生産性の向上に取り組むために、これらの補助金を活用することを検討してはいかがでしょうか。
(小島淳次)