ニュース

居住用賃貸建物の取得等の仕入税額控除制限【236号】

住宅の家賃収入は非課税売上であるため、住宅として貸付けを行う建物の取得に係る課税仕入等は非課税資産の譲渡等にのみ要するものであり、本来仕入税額控除の適用を受けることができません。しかし、金地金などの売買を繰り返し行うことによって意図的に課税売上割合を引き上げ、仕入税額控除の適用を受ける還付スキームが問題視されていました。
こういったこと等に対応するため、令和2年10月1日以後に行われる居住用賃貸建物についての課税仕入れ等の税額が控除できなくなりました。

(以下、国税庁消費税改正より参照)

制度改正の内容

事業者が、国内において行う居住用賃貸建物(住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物※以外の建物であって高額特定資産又は調整対象自己建設高額資産に該当するもの)に係る課税仕入れ等の税額については、仕入税額控除の対象としないこととされました。
※住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物とは、建物の構造や設備等の状況により住宅の貸付けの用に供しないことが客観的に明らかなものをいい、例えば、その全てが店舗である建物など建物の設備等の状況により住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物が該当します。

注 例えば、建物の一部が店舗用になっている居住用賃貸建物を、その構造及び設備その他の状況により住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分とそれ以外の部分(「居住用賃貸部分」といいます。)とに合理的に区分しているときは、その居住用賃貸部分以外の部分に係る課税仕入れ等の税額については、これまでと同様、仕入税額控除の対象となります。

適用開始時期

令和2年10月1日以後に行われる居住用賃貸建物の課税仕入れ等の税額について適用されます。

経過措置

令和2年3月31日までに締結した契約に基づき令和2年10月1日以後に行われる居住用賃貸建物の課税
仕入れ等については、上記の制限は適用されません。
上記の適用を受けた居住用賃貸建物について、後日調整期間中に居住用から店舗用に転用した場合や譲渡をした場合には仕入税額を調整することとされています。

詳細については弊社担当者にお尋ねください。
(川合)

中央総研へのお問い合わせはこちら

新着情報

税理士法人中央総研 知識と経験を活かし、お客さまに寄り添う
NEW
2020年10月20日 コロナ禍で税務調査はどのように行われているのか【237号】
一覧に戻る
OLD
2020年09月28日 成年年齢引下げに伴う税務への影響【235号】

別の記事も読む

行事