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平成30事務年度の「相互協議の状況」【216号】

 国税庁では、移転価格課税等による国際的な二重課税について納税者の申立てを受けた場合、租税条約の規定に基づき外国税務当局との相互協議を実施してその解決を図っています。また、納税者の予測可能性を高め、移転価格税制の適正・円滑な執行を図る観点から、事前確認に係る相互協議を実施しています。

●相互協議事案の発生件数
  
〇平成30事務年度は219件の相互協議事案が発生し、そのうち事前確認に係るものは163件(74%)、移転価格課税その他に係
   るものは56件(26%)になりました。
  〇相互協議事案の発生件数は過去最多となりました。

2.相互協議事案の処理件数
 (1)処理件数
  〇平成30事務年度の処理件数は187件(前事務年度比113%)となりました。
  〇そのうち事前確認に係るものの処理件数は146件(78%)、移転価格課税その他に係るものの処理件数は41件(22%)でし
   た。

 (2)処理事案1件当たりに要した平均的な期間
  〇平成30事務年度の処理事案1件当たりに要した平均的な期間は、34.1か月でした(平成29事務年度:29.9か月)。
  〇そのうち事前確認に係るものの1件当たりの平均的な処理期間は、34.5か月でした(平成29事務年度:30.7か月)。
  〇また、移転価格課税その他に係るものの1件当たりの平均的な処理期間は、32.7か月でした(平成29事務年度:27.7か月)。

3.相互協議事案の繰越件数
 (1)繰越件数
  〇平成30事務年度は処理件数が過去最多となりましたが、発生件数も過去最多となり、処理件数を上回ったため、同事務年度
   末の繰越件数は増加しました。
 (2)繰越事案の相手国・地域の地域別内訳
  〇平成30事務年度末の繰越事案の相手国・地域の地域別内訳は、アジア・大洋州が最も多く、次いで米州、欧州となっていま
   す。
  〇なお、国別には、米国(25%)、インド(17%)、中国(14%)、韓国(9%)、タイ(6%)の順となっています。

4OECD非加盟国・地域との相互協議事案の状況
 (1)発生件数、処理件数、繰越件数
  〇OECD非加盟国・地域との相互協議事案について、平成30事務年度の発生件数は89件、処理件数は44件、同事務年度末の繰
   越件数は245件でした。
  〇この繰越件数(245件)は、同年度末の相互協議事案の繰越件数(528件)の46%に当たります。
 (2)処理事案1件当たりに要した平均的な期間
  〇OECD非加盟国・地域との相互協議事案について、平成30事務年度の処理事案1件当たりに要した平均的な期間は、37.1か月
   でした(平成29事務年度:40.1か月)。
  〇そのうち事前確認に係るものの1件当たりの平均的な処理期間は、43.6か月でした(平成29事務年度:52.0か月)。
  〇また、移転価格課税その他に係るものの1件当たりの平均的な処理期間は、29.9か月でした(平成29事務年度:31.1か月)。

 このように大企業が移転価格税制を適用し追徴課税を受けるケースが多いことから相互協議の重要性は更に高まっております。(出典:国税庁)

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